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歴史の隙間に埋もれた漂泊の芸能者たちの実像を追いかけています
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また細かい話なんですが、自分が「昔話とは固定されたものではなく変化するものだ」ということを知った瞬間を覚えています。

子供の頃、ある日曜日の朝。「兼高かおる世界の旅」を見ていた時のこと。ヨーロッパのどこかの国の人形劇を紹介しながら、兼高さんが「シンデレラ」について語りはじめました。

曰く、
「シンデレラを誰が書いたかというと、日本人のほとんどはグリムかアンデルセンだと思っているんですけど、今の日本で知られてるシンデレラの作者は、ペローなんですの」

この話を聞いた瞬間、結構ショックを受けたのを覚えています。ついでに「ペローって誰よ!」という怒りにも似た感情も湧いてきました。
ペローさんには失礼なんですが、外国(=欧米)のおとぎ話を作った人と言えば、グリムかアンデルセンの名前しか聞いたことがなかったので。

兼高さんは、さらにこう続けました。
「そもそも、一口にシンデレラといっても、各地にいろんなパターンのお話があるんですの。日本でおなじみのストーリーは、その中の一つなんですの」

なにしろ30年近く前の記憶なので怪しいのですが、おおよそこんなところだったと思います。

今ちょっと調べた限りでは、シンデレラの類話は500はあるようです。
その中で、
〈魔法使い〉〈カボチャの馬車〉〈ガラスの靴〉
など、おなじみのアイテムが揃うのは、ペローが書いた童話なのです。
グリム版はディテールが微妙に違います。それに少し残酷。

シンデレラは一つじゃない。私が知っている物語は、たくさんあるバージョンの中の一つに過ぎない。
どうやら「昔話」は変化を繰り返すものらしいという事実を知った瞬間でした。


ところで皆さんはシャルル・ペローをご存じでしょうか。書店に並ぶシンデレラの絵本の表紙には、確かに彼の名前があります。その割に、なぜかマイナーな印象です。

シャルル・ペローは17世紀フランスの詩人で童話作家。ルイ14世の側近であり、貴族の娘たちに物語を読み聞かせる役職についていたそうです。そしてペローは古い民話を収集して本にしました。その中の一つにシンデレラがあります。
「眠れる森の美女」や「長靴をはいた猫」もペロー版が有名ですし、ディズニーや東映動画のアニメもぺローが原作になっています。

民話を集めたという点はグリム兄弟と共通します。(アンデルセンは創作童話)
しかし、グリム兄弟が出来るだけ話の原形を残すことを信条としたのと違い、ペローは読者が読みやすいように脚色することもありました。特に女の子が好みそうなロマンチックで可愛らしい味付けが多かったようです。
原形から離れたかもしれません。しかしその味付けが、ペローの作品が現代人にも親しまれる要因になったのではないか。そんな気がしています。


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【2015/06/19 03:32】 | 旅芸人と私
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