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歴史の隙間に埋もれた漂泊の芸能者たちの実像を追いかけています
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昔話を調べるきっかけとなった作品というのは、そのものズバリ、“昔話の絵本を書く”という仕事でした。
私は絵は書けませんから、文章を書くのみです。

桃太郎、金太郎、浦島太郎、かぐや姫、鶴の恩返し、牛若丸……

といったスタンダードな昔話を、ひねらずストレートに描くことが求められました。 もちろん、既存の絵本をコピペするような真似は許されません。

そんなわけで、まずは集めた資料と、自分の記憶を頼りに書き始めることになりました。
そして準備が整い、

「むかしむかし あるところに」

と書きかけて、ふと思いました。

「“むかしむかし”って、いつのことだ?」

伝説や神話は、おおよその時代が特定できますが、たいていの昔話は、
「むかしむかし あるところに…」
と語るだけで時代と場所は曖昧です。

素直に考えれば、昔話の舞台となる時代は江戸時代以前でしょう。
ただし、これら昔話も、江戸時代の人々にとってはすでに“遠い昔の話”だったと思われます。

例えば桃太郎は絵草紙(江戸時代の絵本)が出版されていますが、、絵草紙になる遙か前から、各地でいろんなパターンの桃太郎が語られていました。
これは桃太郎に限らないことです。

ということは、昔話の舞台は室町? 鎌倉? 平安?
あるいはもっともっと昔?

江戸時代と平安時代とでは人々の服装も、村や町の景色も、かなり違ったでしょう。さらに同じ日本でも、北と南では、今以上に文化の違いが大きかったと考えられます。

つまり「昔の日本」の姿はひとつじゃない。
現代人が昔話を聞いて思い浮かべる風景と、その話が生まれた場所の実際の風景は、まったく違うものである可能性があります。

それまで当たり前にあって疑問を持たずにいた昔話に、ある種の違和感を覚えたこの時が、自分の中で昔話の存在がふくらんだ瞬間でした。


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【2015/06/01 03:02】 | 旅芸人と私
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