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歴史の隙間に埋もれた漂泊の芸能者たちの実像を追いかけています
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鞍馬駅から鞍馬街道へ

行き当たりばったりの旅で、本当は昼前に京都に着いて軽く観光をしてから鞍馬山に登るつもりが、京都に着いたのは午後2時~3時あたり。
すぐに鞍馬寺を目指しました。

この日の京都は時折小雨が降るような曇り空。
こりゃ、せっかくの満月は拝めないかもなと少々がっかりしながら、ガイドブックを頼りに叡山電鉄の出町柳駅にたどり着き、鞍馬行きの電車に乗りました。

車窓から見える景色は、緑がしっとり雨に濡れ、まさに深山幽谷といった風情。
この時には、月は見えなくても雰囲気だけ味わえればいいやと、開き直っていました。

電車が鞍馬に着いたのは午後4時近くだったと思います。
鞍馬駅の改札を出た瞬間、頭に浮かんだ言葉は、
「あれ、私、タイムスリップした?」
アホみたいですが本気でビビりました。
平安時代とまでは言わないが、昭和三十年頃で時が止まった村に迷い込んだ錯覚に陥ったのです。

京都駅周辺とは空気が違いました。
派手なのぼりや看板は見当たらず、祭の日だというのに人はまばら。
にぎやかな清水寺の参道などとは違う趣きです。 ふしぎなほど観光地化されていないように感じました。

駅前には数件、土産物屋がありました。落ち着いた店構えです。
おぼろげに覚えているのは木造の古い建物。焦げ茶色の外壁、格子戸。
店先に飾りか土産か、天狗の面が飾られていた記憶があります。あとピンク電話も。

当然ながら、すぐに今は平成の世だと気づき、足を進めます。
先に鞍馬街道に向かいました。鞍馬川に沿って伸びる道を花脊方面へ歩いていくと、数人の観光客とすれ違いました。

この道の様子は、司馬遼太郎さんの『街道をゆく』シリーズ内の『洛北諸道』の中で、こう描写されています。


鞍馬寺の大きな石段の下に鞍馬街道が走っている。その街道に沿って、京格子のふるめかしい民家がびっしりならび、山峡の風が吹きぬけているあたり、いかにも古街道のおもかげがのこっているが、この民家の軒下にひと群れのスタスタ坊主を配すればそのまま江戸中期の風景になる。


スタスタ坊主は願人坊主の一種らしいです。
私が見た風景は、司馬さんが見た時とものとほとんど同じだと思います。
土産物屋は少しあった気がしますが、街道沿いの家々は静かでした。
もっとじっくりこの眺めを味わいたかったのですが、時間が足りません。

明るいうちに鞍馬寺の境内も見たかったので、街道の半ばで踵を返しました。
途中、道沿いの民家から出てきたおばあさんが近所の人に、
「今日はウエサクさんだねえ」
と話しかけているのを聞きながら、鞍馬寺の入口に向かいました。


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【2015/05/08 21:56】 | 紀行
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